ぷくろー
本記事では『お金は寝かせて増やしなさい』の内容を要約してお伝えしていきます。
投資初心者の方、インデックスファンド投資に興味を持っている方は是非読んでみてください!
目次
著者の水瀬ケンイチさんってどんな人?
ぷくろー

投資ブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」の運営者

このブログから元となり、書籍『お金は寝かせて増やしなさい』が生まれたことになります。
ちなみに、梅屋敷商店街とは、東京の蒲田という駅の近くにある商店街で、水瀬ケンイチさんはそこに住みながら投資をなさっているようです。
金融機関の人ではなく一般の会社勤め
水瀬ケンイチさんは、金融機関の人でもなければ金融畑の人でもありません。
これは実は重要な点なのです。なぜなら、金融機関の人は、彼らの収益を上げるために必死に手数料の高い金融商品を売るインセンティブがあるからです。
別の言い方をすると、金融機関の人と僕ら個人投資家とは「利益相反」の関係にあるわけです。
その点、水瀬ケンイチさんは、僕ら個人投資家と同じ立場なので、利益相反の関係ではなくむしろ「仲間」です。
そのため、安心して発信内容を聞くことができるわけです。
インデックス投資歴15年(以上)
水瀬ケンイチさんは、この本を書いた2017年当時でインデックスファンド投資歴15年とのことなので、2019年の現在ではすでに17年になるはずです。
インデックスファンド黎明期から投資をされてきたということで、その主張の説得力も段違いです。
なぜインデックスファンド投資なのか?
水瀬ケンイチさんは、なぜインデックスファンドを勧めるのでしょうか?
大きく分けると、3つの理由があります。
- 手間がかからないから
- 実は世界標準のスタンダードな投資法だから
- お金の基礎知識として日常生活に役に立つから
手間がかからないから
インデックスファンドは、毎日値動きを気にしたり売買をしたりという手間がかかりません。
買ってあとは寝かせておくだけでよいのです。
実は世界標準のスタンダードな投資法だから
また、インデックスファンドは、実は世界標準のスタンダードな投資法なのです。
たとえば、公的年金を運用する日本最大級の機関投資家であるGRIFの運用資金の77%はインデックス運用となっているとのこと。
スタンダードな投資法を個人でもできるのであれば、やらない理由がありません。
お金の基礎知識として日常生活に役に立つから
この点はたしかになと思ったのですが、インデックスファンドを知っておくことで、日常生活にも役立ちます。
たとえば、会社で確定拠出年金(iDeCo)を導入しようといきなりなったとしても、慌てずにファンド選択ができます。
また、「絶対年利10%保証」といった金融商品の「怪しさ」に感づくことができるようになります。
インデックスファンドの3つのメリット
ぷくろー
- 少額から購入できること
- たくさんの銘柄の株式や債権に分散投資できること
- 運用に携わる金融機関が破綻しても資金が守られていること
少額から購入できること
インデックスファンドは、極端なものであれば100円からでも購入できます。
日本は他国と比べても特に低い方なので、ハードルが低くなっています。
たくさんの銘柄の株式や債権に分散投資できること
投資の基本として「分散投資」がありますが、多くの銘柄の株式や債権に分散投資をするためには、多額の資金が必要となります。
というのも、株式は一般的に1単元から購入できますが、その値段は数万円〜数百万円ほどになるためです。
でも、インデックスファンドであれば、少額から簡単に分散投資ができてしまうというわけですね。
運用に携わる金融機関が破綻しても資金が守られていること
また、運用に携わる金融機関が破綻しても資金が守られているのというのも守りの観点でメリットとなります。
インデックスファンドは、販売会社→信託銀行→運用会社の3社により運営されており、このうち信託銀行が資産の管理をすることになります。
信託銀行では、顧客からの預かり資産を「信託財産」として、銀行自体の資産とは切り分けて管理しているため、もし倒産となっても資産は守られる仕組みです。
インデックスファンドの2つのデメリット
ぷくろー
- 持っているだけで手数料がかかる
- すぐに大儲けはできない
持っているだけで手数料がかかる
インデックスファンドには、以下の3つの手数料がかかります。
- 購入時手数料
- 運用管理費用(信託報酬)
- 信託財産留保額
このうち、信託報酬は毎年かかってくるもので、インデックスファンドによってそれぞれ大きく異なってくるところなので、ファンド選定時の重要要素となります。

信託報酬は年々下がってきており、米国のETFでは年間0.03%ほどから、日本の投資信託では0.09%のほどのもの出てきています。
ぷくろー
すぐに大儲けはできない
インデックスファンドの特徴として、大きな利益をあげるためには、何十年といった長い時間がかかります。
ただ、長い時間をかければ着実に資産形成をすることができるのが特徴です。
これはデメリットというよりも、特性ともいうべきものかと思います。
ぷくろー
どの投資信託にすべきか?
ぷくろー
日本にこれだけ投資信託が多い理由はどこにあって、僕たち個人投資家はどの投資信託をみるべきなのでしょうか?
日本には約6000もの投資信託がある理由
日本では、「回転売買」とよばれる、銀行や証券会社による手数料稼ぎのための売買の繰り返しのために、同じような投資信託がたくさん作られていたという過去があるのです。
実態は同じなので、回転売買用に作られた投資信託は見る必要がありません。
アクティブファンドではなくインデックスファンド
先ほどの信託報酬において、アクティブファンドは人件費がかかる分高めの設定、インデックスファンドは低めとなっています。
「お金は寝かせて増やしなさい」で紹介されているように、S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの2016年の調査によると、米国では、アクティブファンドの勝率は、1年で15%、5年で8%、10年で15%しかないそうです。
これはもう、インデックスファンドを選ぶしかないですよね。
ただ、手数料が高い分、銀行や証券会社はアクティブファンドを進めてきます。これには注意が必要です。


アクティブファンドがインデックスファンドに勝てない理由
では、プロがインデックスファンド以上の利回りを目指した運用するアクティブファンドは、なぜインデックスファンドに勝てないのでしょうか?
これは、1つの主な要因としては、やはり「高い信託報酬」があるようです。
厳密にいえば、高い信託報酬を上回るほどの利回りパフォーマンスの向上を出せていないということですね。
インデックスファンドはどうやって買うべきか?
では、インデックスファンドはどのように買うべきでしょうか?
ポイントは2つあります。
- 積み立て投資をする
- バイ&ホールド(買い持ち)
積み立て投資をする
まずは、積み立て投資、すなわち「毎月一定金額で同一の投信を購入することを継続する」ことが重要です。
もちろん買い時のタイミングを読めれば素晴らしいですが、それはプロでも難しいわけです。
であれば、投資初心者であればなおさら、毎月一定金額を投資していくスタイルがよいでしょう。
バイ&ホールド(買い持ち)
そして、買ったら基本的にはホールドし続けるのがインデックスファンド投資の原則。
水瀬ケンイチさんいわく、10年分以上の値上がりなどよっぽどのことがあれば売ることもあるが、基本的にはホールドし続けるそうです。
特に、下がり相場のときには、メンタル的に売ってしまいたくもなりますが、そこはなんとか耐えましょう。
投資をはじめる前の注意点
水瀬ケンイチさんは、投資をはじめる前の注意点として、「生活防衛資金」の確保を勧めています。
約2年間分の生活費は銀行預金などの流動性の高い金融商品で確保しておくのが健全だろうと言っています。
これはたしかに、精神的な安定にも役立ってくれそうです。
自分は、まだ2年間分の生活防衛資金は確保できていないので、リスクの低めな投資商品に投資をしながら貯めていこうと思います。
おすすめのインデックスファンド
これらを踏まえて、水瀬ケンイチさんは、以下の3つの投資信託をおすすめとして紹介されています。
- 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- ニッセイ新興国株式インデックスファンド
基本的な方針としては、信託報酬の低いインデックスファンドです。
ぷくろー
投資成果決定の大きな要因となる「資産配分」
銘柄選択や投資タイミングではなく、資産配分によって投資成果がほぼ決まるといわれるくらい、資産配分は重要です。
本書では、資産配分の方法として、「世界市場ポートフォリオ」と「有効フロンティア」の2つの方法が紹介されています。
世界市場ポートフォリオ
世界各国の株式時価総額と同じ比率で資産配分をつくる方法です。
「現代ポートフォリオ理論」の最終到達点である「株式市場そのものが唯一絶対の効率的ポートフォリオである」という結論を根拠とした方法とのことです。
有効フロンティア
有効フロンティアとは、リスクあたりのリターンが最も大きい組み合わせを計算したものです。
ちょっとこちらについてはまだ知識が浅いので、今後さらに調べて、まとめていきたいと思います。
購入後の運用、売らないメンタルが重要
投資は、購入後に「何もしないこと」も重要だと言われています。
水瀬ケンイチさんの著書「お金は寝かせて増やしなさい」のタイトルもそのとおりですね。
逆にいうと、何もせずに売らないように我慢することが難しいものでもあるのです。
売りたくなったら思い出す言葉
本書で紹介されていた以下の言葉は、本当に格言ですね。
投資の世界では、感情は必ず間違った方向に投資行動を導くものである。気分の高揚しているときは株を買いたくなり、不安を感じるときは売りたくなるものである。健全な長期投資にとって、直感こそが敵であり、理性こそが友である。
「敗者のゲーム」チャールズ・エリス
「直感こそが敵であり、理性こそが友である。」、これはいつでも思い出すようにしたい言葉です。
年に一度のリバランス
水瀬ケンイチさんは、基本的には狼狽売り(下がったときに理性を失って売ってしまうこと)はせずにホールドし続け、年に一度だけリバランスを行うことを勧めています。
目標としている資産配分に対して、1年間運用をすると、ズレが生じてきているはずです。
そのズレを修正してあげる作業がリバランスというわけです。
まとめ
完結にまとめるはずが、非常に学びの多い書籍だったためか、5,000文字超の記事となってしまいました。
水瀬ケンイチさんの「お金は寝かせて増やしなさい」は、投資知識ゼロの方から初級の方にとってぴったりな入門書です。
投資を始めたいけれどもどこから手を付けたらよいか分からないという方は、是非手にとってみてください。
ぷくろー