ぷくろー
今回の調達によって、サービスはどうなっていくのかみてみよう!
2019年11月6日、ウェルスナビは40億円の追加調達を発表しました。これにより、同社の累計調達額は約148億円となります。
ウェルスナビは、国内のロボットアドバイザー投資サービスとしては、第二位のTHEOの3倍以上の預かり資産を誇り、圧倒的な立ち位置を築いています。
そんなウェルスナビの今回の調達の背景には、どのような戦略があるのでしょうか?本記事で解説していきます!
目次
ウェルスナビの40億円追加調達を深堀り
まずは、今回のウェルスナビによる40億円調達について、深ぼっていきましょう!
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ウェルスナビの出資元は銀行オールスター
日経新聞によると、今回は「SMBCベンチャーキャピタルなど既存株主が引き受けたほか、オプトベンチャーズやりそなキャピタルなどが新たに出資」とあります。
ウェルスナビは、これまでの投資において、以下のように主要銀行全てから資金調達をしています。
- 三菱UFJキャピタル
- SMBCベンチャーキャピタル
- みずほキャピタル
- SBIインベストメント
- 未来創生ファンド(トヨタと三井住友銀行共同出資)
今回の出資では、ここにさらにりそな銀行の資本も入り、銀行の業界大手勢揃いの様相がさらに深まってきましたね。
FinTechサービスに活路を見出したい銀行の思惑が見え隠れします。
調達資金の使いみちはAIフィナンシャル・アドバイザー
調達した資金は何に使われるのでしょうか?
こちらも日経新聞の記事から引用させていただくと、以下のようになっています。
人工知能(AI)を活用した新サービスの開発に充てる。実際の顧客の投資行動などのデータを分析し、個々の資産状況やライフプランに応じた運用アドバイスをAIが自動で通知するシステムの開発につなげる。
「AIによる運用アドバイス」、つまりフィナンシャル・アドバイザーのAI化といったところでしょう。
これによって、ユーザーの利便性は向上していくのでしょうか?
ウェルスナビの場合には、「顧客の投資行動などのデータ」といってもほとんど資金を入れたあとは放置なので、もしかしたら、その他の証券会社に対して SaaS 的に提供していくのでしょうか。
詳細が気になるところですね!
今後のウェルスナビに期待したいこと
以前、ウェルスナビとVOO(バンガード S&P500 ETF)で収益シミュレーションをしたことについても記事にまとめました。

これによると、ウェルスナビは2倍以上の収益差をつけて負ける結果になっています。
とはいえ、VOOなどの米国ETFをいきなり入門者が購入するのはハードルが高いですし、SBIバンガードS&P500等の日本の投資信託もちょっとわかりにくさはあります。
そういった点で、「投資が初めて」という世の中の一般層がはじめて利用するサービスとして、ウェルスナビは今後も利用者数を伸ばしていくと考えています。
米国のロボットアドバイザーサービスは年間手数料が0.25〜0.4%
ちなみに、米国のロボットアドバイザーサービスとして有名な「Betterment」や「Wealthfront」は、年間の手数料が0.25〜0.40%ということで、ウェルスナビの1.00%と大きな開きがあったりします。
規模の経済がはたらく領域だとは思うので、ウェルスナビについても、今後ユーザーが増えていき、手数料率も下げていってもらえると、より良いサービスといえるのではないでしょうか。
Betterment は実際の人によるアドバイスをサービス化
米国No.1のロボットアドバイザーサービス「Betterment」は、人間の資産運用のプロによるアドバイスをサービス化しています。
現在は、10万ドル以上の資産を預けている人は無料、そうでない人は$150〜$500のパッケージを購入してアドバイスを受けることが可能。
初心者にとって、初めからAIが適切なアドバイスをできるのか?
AIによるアドバイスよりも、まずは実際の金融のプロという人によるアドバイスのほうが求められているのではないか?
個人的にはそんな気もしますが、そこはもちろんウェルスナビの中の人も熟慮も上の決断なのでしょう。
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