ぷくろー
「大企業はずっと安泰」という時代は過去のものになりつつあります。
大手企業による早期退職募集のニュースが相次ぐなど、日本の終身雇用はすでに崩壊し始めているといっても過言ではないでしょう。
そんな中、大手からベンチャー企業へ転職する方や、新卒から裁量権を求めてベンチャー企業の門を叩く学生も増えてきています。
今回はそのようなトレンドの中、ベンチャー企業への転職を考えている方向けに、ITベンチャーの人事の経験を元に、ベンチャー企業で求められる人材の5つの特徴について解説していきます。
目次
ベンチャー企業で求められる人材の5つの特徴
それでは、ベンチャー企業で求められる人材の5つの特徴をみていきましょう。
結論から言うと、ベンチャー人事の経験から僕が考える「ベンチャー企業で求められる人材の特徴」は以下の5つです。
- 自ら考え行動できる人
- ラーニングアニマル
- カルチャーマッチ
- 変化への耐性
- 素直で良い人
もちろん、この5つの項目の中には、ベンチャー企業に限らず、どの規模感の企業においても通ずる項目もあると思います。
ただ、これはベンチャー企業において特に重視される要素だと考えています。
以下では、それぞれの項目について解説していきます。
※ ちなみに、ここでいう「ベンチャー企業」とは、社員数が10〜100名程度の急成長を目指す会社のこととします。
1.自ら考え行動できる人
まずは、「自ら考え行動できる人」です。
ベンチャー企業では、大企業に比べて、既にやり方が確立されているような仕事は少ないため、自ら仕事を作っていく姿勢が求められることが多いです。
ベンチャー企業と中小企業の違いを「急成長を目指すか否か」とするならば、ベンチャー企業にとって急成長は必須要件。
そして、急成長をするためには、既存の仕事をこなすだけではなく、その仕事をやる意味はあるのか、もっと効率よくできないのか、さらに良い方法はないか、など常に改善方法を自ら考え行動していく必要があります。
また、会社の成長に伴い、新たな仕事は毎日のように生まれてきます。そのような新しい仕事を「成長機会」と捉えポジティブに受け入れるようなマインドの人が向いているでしょう。
2.ラーニングアニマル
2点目は、「ラーニングアニマル」です。
「ラーニングアニマル」という言葉を初めて聞いたという人もいらっしゃるかもしれません、
「ラーニングアニマル」は、「学習し続ける人」の意味で、Googleが採用候補者に求める資質として知られています。
元Google CEOのエリック・シュミットらが執筆した『How Google Works』には、以下のような記述があります。
とびきり優秀な人でも、変化のジェットコースターを目の当たりにすると、もっと安全なメリーゴーランドを選ぼうとするケースはやまほどある。心臓が飛び出しそうな体験、つまり過酷な現実に直面するのを避けようとするのだ。
ヘンリー・フォードは 「人は学習を辞めたとき老いる。20歳の老人もいれば、80歳の若者もいる。学びつづける者は若さを失わない。人生で何よりすばらしいのは、自分の心の若さを保つことだ」 と言った。
グーグルが採用したいのは、ジェットコースターを選ぶタイプ、つまり学習を続ける人々だ。彼ら”ラーニング・アニマル”は大きな変化に立ち向かい、それを楽しむ力を持っている。
ベンチャー企業では、先月やっていたことと今月やることがまるで違うなんてことも多々あります。
その時に、自分にとって新しい領域やスキルであっても貪欲に学んでいくような「ラーニングアニマル」の資質が必要になってくるわけです。
これは、ベンチャーに限った話ではないかと思いますが、日常から常に新しいことを学び続けている人は、人としても魅力的に映りますね。
3.カルチャーマッチ
3点目は、「カルチャーマッチ」です。
カルチャーマッチについては、会社と候補者の価値観のマッチ度の問題なので、一概に良し悪しがあるわけではありません。
カルチャーあるいは価値観が一致していると、企業も社員も両者ともにハッピーです。自分と同じような志向性の人と働けるのはストレスがなく楽しいものです。
一方で、カルチャーや価値観が一致していないと、どうも周りとうまくいかず、会社にいるだけでストレスを抱えたり、本心ではない言動により疲弊してしまうこともあります。
職場の悩みの多くは人間関係だったりするので、自分の考え方と会社の価値観が合っているかはしっかりと確認しておいたほうがよいでしょう。
特にベンチャーの場合には、カルチャーのクセが強いことがあったり、もし合わなかった場合に異動という手段を取りにくいため、なおさらです。
4.変化への耐性
4点目は、「変化への耐性」です。
ベンチャー企業は日々変化していくもの。
「ピボット」と呼ばれる事業方針の変更も珍しくありませんし、むしろピボットしながら攻めるべき市場や自社のサービスの方向性を見極めていくイメージです。
そのような変化に対する耐性がある方は、ベンチャー企業の環境でも不自由なく活躍していけるはずです。
一方で、方針転換に対して不安に思ってしまったり戸惑ってしまう方は、もしかしたら大手企業の方が向いているかもしれません。
もちろん、合理的な根拠のない方針転換は言語道断です。そのような会社は地雷なので避けたほうが無難です。
きちんと合理的な根拠のあった上での意思決定による方針転換に対して受け入れることができるか否かというのがポイントです。
良し悪しはありませんが、このような変化や新たな領域にすぐにキャッチアップしていけるような姿勢がある方は、ベンチャー企業向きだといえます。
5.素直で良い人
最後に、「素直で良い人」です。
これは、ITメガベンチャーのサイバーエージェントが採用基準として掲げていることで有名です。
サイバーエージェントの取締役人事統括の曽山氏は日系BPの取材で次のように語っています。
中には楽しんでいるチームもありました。さらに業績も伸びている。なぜそのチームは伸びているのかと経営陣が観察したとき、互いがいい人で、仕事でも助け合っているということに気付きました。それを人事部として議論して導き出した採用キーワードが『素直でいい人』です
(引用元)
サイバーエージェントで離職率が高まっていたとき、中には上手くいっていたチームもあり、そのチームの特徴をまとめると「素直でいい人」だったとのことです。
そして、ここでいう「素直」とは「人に対して従順」の意味ではなく「上司の発言や現実に起きている現象を受け止めること」の意味とのこと。
当社で言う『素直』とは、従順とは違います。上司からこれをやってと言われて何も考えずに従うということではない。人に対してではなく、上司の助言の内容や現実に起きている現象を受け止められるか。例えばインスタグラムというサービスが出始めたときに、『インスタなんて流行しない』と言ってしまう人ではなく、『伸びるかもしれない』と思える人です。変化対応力ともいえますね
(引用元)
この素直さは、「自ら考え行動する人」や「ラーニングアニマル」にも通ずるところがありますね。
「素直で良い人」は、社員間のコミュニケーションが多かったり変化に素早く対応していく必要のあるベンチャー企業では、より一層求められる資質です。
経験は必ずしも求められない可能性も
これは特に第二新卒の時期においてですが、その企業の展開する事業領域における経験は必ずしも求められないこともあります。
なぜなら、やる気があったり地頭の良い人であればある程度の知識やスキルはすぐにキャッチアップできますし、そもそも同じ事業領域や事業内容を今後もやり続けるとは限らないからです。
「もしピボットして別の領域を攻めることになった場合にも一緒に働きたい人」という基準で考えると、事業領域への経験よりも、先述の「素直で良い人」や「ラーニングアニマル」といった定性的な評価が重要になります。
ビジネスの経験が全く求められないわけではありませんが、専門領域をもっていなくても、ビジネス的な基礎力やモチベーションがあれば採用につながる可能性も高まります。
まとめ
本記事では、ITベンチャーの人事の経験から、ベンチャー企業で求められる人材を5つの特徴にまとめて解説してきました。
本記事は「ベンチャー企業で求められる人材」をテーマにしましたが、実は今後大企業においてもこのような人材が求められるようになってくるのではないかとも思っています。
とういうのも、この変化の激しい時代において、大企業もあぐらをかいているわけにはいかず自ら変化していく必要が出てきているからです。
言い換えれば、大企業もベンチャー企業的な戦い方を求められるようになってきているというわけです。
本記事が、ベンチャー転職及び今後のキャリアを考える上で少しでも参考になれば嬉しいです。
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