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ケインズの「砂上の楼閣」とは?【ウォール街のランダム・ウォーカー図解】

ケアンズの「砂上の楼閣」とは?【ウォール街のランダム・ウォーカー図解】

ぷくろー

『ウォール街のランダム・ウォーカー』シリーズ第3弾!今日は、第1章「株式と価値」より、あのケインズに唱える「砂上の楼閣」についてみていくよ!

本記事では、『ウォール街のランダム・ウォーカー』の第1章より、資産評価の方法の1つである「砂上の楼閣」について解説していきます。

図を用いてなるべく簡単に解説したつもりなので、投資初心者の方にもぜひ読んでもらえると嬉しいです。

砂上の楼閣と対立する資産評価の考え方である「ファンダメンタル価値」については、以下の記事を参考にしてみてください。

ファンダメンタル価値とは?【ウォール街のランダム・ウォーカー 第1章「株式と価値」】ファンダメンタル価値とは?【ウォール街のランダム・ウォーカー 図解】
MEMO
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「砂上の楼閣」とはなにか?

まずは、「砂上の楼閣」とはどういう意味なのか、みていきましょう。

ケインズは株式の資産評価手法を「砂上の楼閣」にたとえた

ケインズは株式の資産評価手法を「砂上の楼閣」に例えた

かの有名な経済学者ケインズは、株式の資産評価方法を「砂上の楼閣」にたとえました。

ケインズ曰く、優れた投資家とは、どのような市場の状況が大衆の砂上の楼閣づくりを引き起こすかを探り当て、一般投資家が気づく前に行動することで、ゲームに勝とうとするとのこと。

つまり、だれも本質的な価値など測ることはできないため、一般対象が想像のもとに作り上げる砂上の楼閣を予測することで、先んじて株式を購入し、砂上の楼閣が過剰に大きくなってきたところで資金をうまく抜くわけです。

ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』は、以下のマンガシリーズが読みやすくておすすめです。

高度な分析は必要ない、毎朝ベッドで30分考えるだけ

高度な分析は必要ない、毎朝ベッドで30分考えるだけ

ケインズは、この理論のもと、市場の証券アナリストたちが朝から晩まで企業分析に励むなか、毎朝30分ベッドで考えるだけで、多大なる利益をあげたといわれています。

実際に、ケインズは、自分の資産だけでなく、母校ケンブリッジのキングズ・カレッジのファンド・マネージャーとして、基金を何百万ポンドも増やしたことが知られています。

ケインズの「美人投票論」とはなにか?

ケインズは、このような株式市場の様子を「新聞紙の美人コンテストにおける投票」になぞらえて説明しています。

みなさんも一度は耳にしたことがあるかもしれない「美人投票論」と呼ばれるものです。

ケインズの「美人投票論」

ケインズの「美人投票論」

ケインズは、株式市場のことを、当時ロンドンで行われていた美人コンテストにたとえました。

美人コンテストとは、ロンドンのある大衆紙が、新聞紙上に100人の美女の顔写真を掲載し、読者に6名連記で投票させて、そこで選ばれた美女たちに最も近い投票をした読者に、多額の賞金が与えられるというものです。

ぷくろー

現代でいうと大学のミスコンの順位が当たったら賞金がもらえるバージョンみたいなイメージだね

ちょっと頭の機転が効く人であれば、この美人コンテストで勝つためには、絶対的な「美人」という価値を見定めるのではなく、他の読者たちが美人と思う顔のほうを選ぶことが最善の戦略であることに気づくでしょう。

ケインズは、株式でも同様に、そこに本質的な価値ではなく、みんなが選ぶ(買いたがる)ものを選ぶことが最善の戦略であるといっているわけですね。

「より馬鹿」理論ともいえる

「より馬鹿」理論ともいえる

この美人投票論ですが、別の言い方をすると、「より馬鹿」理論ともいうことができます。

もし自分が本質的価値の3倍の値段で買ってしまっても、さらに5倍の値段で買う人がいれば、十分に儲かるというわけです。

そんな「より馬鹿」な人がいる限り、まだまだ儲かる余地はあるというわけですね。

ぷくろー

「より馬鹿」という表現はちょっと辛辣だけれど、たしかに納得の考え方だね

現代では行動ファイナンス理論へ

現代では行動ファイナンス理論へ

このような群集心理を用いた市場予測の方法論は、現代では「行動ファイナンス理論」として体系化されています。

先進諸国の経済学部やビジネススクールでも教えられている一大学問となり、人気を博している状況です。

まとめ

本記事では、インデックスファンド投資の名著『ウォール街のランダム・ウォーカー』の第一章より、ケインズの「砂上の楼閣」及び「美人投票論」の考え方について、解説してきました。

ファンダメンタル価値理論に対して、大衆の心理面を重視した考え方でしたね。

株式市場においてバブルが起きてしまうのは、まさにこの砂上の楼閣の考え方でないと説明がつきません。

自分が「より馬鹿」にならぬよう、理論を理解した上で調子にのらずに実践していきたいものです。

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